IoTデバイスを用いたRICEとエレベーターとの連携を検証

2021年3月4日
アスラテック株式会社

IoTデバイスを用いたRICEとエレベーターとの連携を検証

アスラテック株式会社は、高輪ゲートウェイ駅で実施している自律走行型配送ロボット「RICE(ライス)」の実証実験で、IoTデバイスを用いた物理的なボタン操作によるエレベーター連携の検証を行いましたので、お知らせします。

この実証実験は、東日本旅客鉄道株式会社が2020年12月1日から高輪ゲートウェイ駅(通常非公開エリア)で実施している非接触・非対面ロボットの実証実験で、当社は株式会社日立システムズと共同でRICEを提供しています。今回行ったエレベーター連携の検証では、NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が開発したエレベーター移動支援システムを利用しており、同システムの技術移転を受けているアンドロボティクス株式会社の協力を得て実施しました。

一般にRICEがフロア間の移動を行う場合は、専用のプログラムを用意してソフトウェア的にエレベーターの制御システムと連携する必要がありました。しかし、今回検証したエレベーター連携システムでは、既設エレベーターの制御システムに改修を行うことなく、エレベーター内外の呼出しボタンや行き先指定ボタンに、ボタンを押下できる小型のIoTデバイス「WiWi-Finger」を設置する仕組みにより、エレベーターを用いたフロア間の移動を実現できます。

たとえばエレベーターの前に到着したRICEは、エレベーター外の呼出しボタンに設置されたWiWi-Fingerに対して、「ボタンを押す」コマンドをBluetooth(BLE)で送信します。コマンドを受信したWiWi-Fingerが呼出しボタンを物理的に押して、エレベーターを操作する仕組みになっています。これにより、従来よりも短期間・低コストでエレベーター連携を実現でき、エレベーター制御システムの改修が難しい場所でも、RICEのフロア間移動が可能となります。

写真■アンドロボティクスのエレベーター連携システムを用いてエレベーターに乗り込むRICE